📌 このロードマップは、わが家の体験が進むたびに随時更新していきます。今の「現在地」のスナップショットとして読んでください。(最終更新:2026年6月6日)

「Scratchを始めてみたけれど、次は何をすればいいんだろう?」

わが家では6歳の子どもと一緒にScratch(スクラッチ)を続けてきました。やってみて分かったのは、決まった教科書どおりの順番があるわけではないということです。それでも、子どもの「できた」を振り返ると、だんだん力がついていくゆるやかな流れは見えてきました。

この記事では、その流れを「8つの段階」のロードマップ(地図)にまとめます。何から始めて、どんな順で力がつき、どこを目指すのか。実際にできたこと・つまずいたことを正直に交えながら紹介します。これから始める方の見通しづくりに、すでに始めた方の現在地確認に使ってください。

※「スプライト」とは、Scratchで動かすキャラクターや絵のことです。「ブロック」は、命令が書かれたパズルのピースのようなもので、これを並べてプログラムを作ります。記事の中であらためて説明します。


このロードマップの使い方──順番どおりでなくていい

最初に、いちばん大事なことをお伝えします。この順番は「この順でなければいけない」というものではありません。

実際、わが家の6歳は、まだ「自分で動かす(段階4)」が発展途上のうちに、「ゼロから作る(段階5)」や「当たり判定(段階6)」に挑戦しています。子どもは「やりたい」と思ったところに飛びつくので、段階を行ったり来たりするのが自然です。

このロードマップは、「だいたいこの順で力が広がっていく」という目安として読んでください。次に進むサインは年齢ではなく、子どもが「やりたい」と言ったときです。

そして、この地図はまだ描いている途中です。わが家の子どもがこれから新しいことに挑戦するたびに、各段階の中身を増やし、足りない段階を書き足していきます。「今はここまで分かっている」という地図として、更新を重ねていくつもりです。


Scratch学習の全体像:8つの段階

まず全体像です。Scratchの学びは、ざっくりこんな流れで広がっていきます。

🗺️ Scratch学習の地図

見て楽しむ まねする 改造する 自分で動かす ゼロから作る しくみがわかる 数で動かす 仕上げて公開 🎯

下の表が、その地図のくわしい中身です。

段階子どもの状態身につく力
1. 見て楽しむ作品を見て遊ぶ・まねしたくなる興味・イメージ
2. まねして作るお手本のブロックをまねて並べる模倣・基本操作
3. 改造する見た目や中身を少し変えてみる試す・アレンジ
4. 自分で動かすキーやマウスでキャラを操作する入力のしくみ
5. ゼロから作る自分のアイデアを形にする創造・設計
6. しくみがわかる繰り返し・当たり判定を理解する論理的思考
7. 数で動かす得点など「変数」を使う抽象的な考え方
8. 仕上げて公開作品を完成させ、保存・共有するやり切る力

そして、わが家の今の現在地はこのあたりです。

📍 2026年6月の現在地

  • ✅ 段階1 見て楽しむ
  • ✅ 段階2 まねして作る
  • ✅ 段階3 改造する
  • 🔺 段階4 自分で動かす(左右移動・マウス操作に挑戦中)
  • ✅ 段階5 ゼロから作る
  • 🔺 段階6 しくみがわかる(繰り返しは体感/当たり判定は親が補助)
  • ⬜ 段階7 数で動かす(変数)
  • ⬜ 段階8 仕上げて公開

✅できた / 🔺挑戦中・一部 / ⬜これから

このように、段階を行ったり来たりしながら進んでいます。次から、それぞれの段階を体験を交えて見ていきます。


段階1〜2:見て楽しむ・まねして作る

最初の一歩は、作ることではなく見て楽しむことでした。

わが家の子どもは、ほかの人が作ったゲームで遊んだり、背景やキャラクター(スプライト)を選んで配置したりするところから始めました。この「楽しい」という気持ちが、すべての土台になります。

次に進んだのが「まねして作る」段階です。Scratchには、ほかの人の作品の中身をのぞける「See inside(中を見る)」という機能があります。これでお手本のブロックを見て、同じように並べてみる。これだけで立派なプログラミングの第一歩です。

この段階で、子どもは「ずっと繰り返す」というブロックを使って、キャラクターを動かし続けたり、音を鳴らし続けたりできるようになりました。「ずっと繰り返す」は、その名のとおり同じ命令を何回もくり返すしくみで、これを「ループ(繰り返し)」と呼びます。

📘 この段階の記事

Scratchってなに?小学生でもできるプログラミングの第一歩

背景とキャラクターを選ぶだけ!はじめてのScratch画面づくり

Scratch作品のまねして作り方:初めてコードを書いた日の記録


段階3:改造する(見た目を変える)

まねができるようになると、次は「ちょっと変えてみたい」が出てきます。

わが家では、Scratchの「ペイントエディター(絵を描く・塗りかえる道具)」を使って、リンゴの絵を塗りかえ・描き足しして「爆弾」に作りかえました。お手本そのままではなく、自分の好きなように手を入れる。この「アレンジする楽しさ」が、次の「自分で作る」への橋渡しになります。

改造は、失敗しても元に戻せるので、気軽に試せるのが良いところです。「こうしたらどうなるかな?」を安心して試せる経験が、子どもの「自分でやってみたい」を育てます。

📘 この段階の記事

Scratchのペイントエディターでキャラを自作しよう


段階4:自分で動かす(キーやマウスで操作)

ここからは「自分の操作でキャラを動かす」段階です。

わが家では、よける役のキャラクターを左右に動かしたり、マウスでパドル(ボールを跳ね返す台)を動かしたりするところに挑戦しました。ただ、スムーズに思いどおり動かすのはまだ発展途上です。マウスで動かしたときは、カーソルが画面の外に行きすぎてキャラが止まってしまう、という壁にもぶつかりました。

この「自分で動かす」は、ゲームらしさがぐっと増える段階です。一方で、矢印キーやマウスを思いどおりに使う感覚は、遊びながら少しずつ身についていくものだと感じています。ここは無理に完成させず、何度も遊ぶうちに慣れていくくらいの気持ちがちょうどよさそうです。

📘 この段階の記事

Scratchでキャラを動かす:矢印キーとマウス操作入門(矢印キー・マウスで自分で動かすやり方)


段階5:ゼロから自分で作る

まね・改造・操作を経験すると、いよいよ「自分のアイデアをゼロから形にする」段階です。

わが家の6歳は、作りたいゲームを自分で考え、紙に設計図(絵)を描いてイメージを共有してくれました。そして、お手本をまねるのではなく、自分で「爆弾よけ」のオリジナル作品を組み立て始めました。

ここで大切にしたのは、正解よりも「作りたい」を優先することです。完成度は高くなくても、「自分で考えたものが動いた」という体験そのものが、何よりの力になります。

📘 この段階の記事

Scratchで自分だけのゲームを作る:6歳が「作りたい」を形にした日


段階6:しくみがわかる(繰り返し・当たり判定)

作品を作るなかで、プログラミングの「しくみ」が少しずつ見えてきます。

わが家で大きかったのは、「クローン(スプライトの分身を増やすしくみ)」を繰り返し(ループ)で作ったときです。ブロックが1つずつ画面に増えていく様子を見て、子どもは「繰り返しって、こういうことか」と体で感じていました。動き続けるだけのループでは分かりにくい「くり返しの回数」が、目に見えた瞬間です。

もう一つが「当たり判定」です。これは「キャラクター同士がぶつかったことを見つけて、反応させるしくみ」のこと。「もしボールがブロックに当たったら、ブロックを消す」といった命令です。「もし〜したら、こうする」という形を、プログラミングの言葉では「条件分岐」と呼びます。

正直にお伝えすると、クローンや当たり判定のコードを組んだのは親です。6歳が自分で書くにはまだ少し難しい段階で、ここは「親が作って、子どもは動きを楽しむ」かたちにしました。難しいしくみは少しずつ親が補い、「動く・見える・楽しい」を先に味わってもらう——今のわが家には、この進め方が合っています。

📘 この段階の記事

Scratchでブロック崩しを作った:まねして学んだゲームのしくみ

Scratchのクローンでブロックを並べる:繰り返しが見えた日


段階7〜8:数で動かす・作品を仕上げて公開する

しくみが分かってくると、次は「数で動かす」段階です。代表的なのが「変数」。変数とは、「得点や残り時間などの数を覚えておく入れもの」のことです。「ブロックを1つ消したら点を1つ増やす」といった使い方をします。

わが家ではまだここはこれからですが、ゲームに「点数」や「クリア」が入ると、作品はぐっと本格的になります。

そして最後が、作品を仕上げて保存・公開する段階です。Scratchはアカウントを作ると、作品をインターネット上に保存・共有できます。「最後まで作り切って、人に見てもらう」経験は、子どもの大きな自信になります。

📘 この段階の記事

Scratchの作品を保存・公開する方法:親子で安全に(保存・共有のやり方と、公開時の安全の約束)

Scratchアカウント登録方法:親向けガイド(保存・公開に必要なアカウントの作り方)

Scratchの変数で得点をつける|6歳のゲームで体験(段階7「変数」の専用記事。アイスを拾うと点が増えるしくみ)


Scratchの「ゴール」と、その先

このロードマップのゴール、つまり「Scratchを十分に使えるようになった目安」を、わが家ではこう考えています。

変数・条件分岐・イベント(クリックや旗で動き出すしくみ)を自分で使って、自分のアイデアのゲームをゼロから完成させ、人に見せられる。

ここまで来たら、Scratchを「卒業」する必要はありませんが、次のステップへの橋渡しを考えてもよい時期です。ただし、その先は「Python一本道」ではなく、子どもの興味によって道が分かれます。ゴールの目安とその先の進路は、Scratchの次はPythonだけじゃない|その先の5つの道でくわしく紹介しています。

ただ、急ぐ必要はまったくありません。Scratchの中だけでも、できることはどんどん広がります。子どもが「もっと作りたい」と思い続けられることが、何よりのゴールだと感じています。

📘 親の心がまえについては、こちらもどうぞ

子どもにプログラミングを教えるコツ:エンジニア親の5つの学び

子どもが「やって」と言った日:6歳に当たり判定は早かった

Scratchを始めて1か月|6歳と親に起きた変化(この地図を1か月歩いた振り返り)


まとめ

  • Scratch学習に決まった順番はないが、「見て楽しむ→まねる→改造→操作→自分で作る→しくみ→数→公開」という8段階のゆるやかな流れがある
  • 次に進むサインは年齢ではなく、子どもが「やりたい」と言ったとき。段階を行き来するのが自然
  • 難しいしくみ(当たり判定・変数など)は親が補い、「動く・見える・楽しい」を先に味わってもらってよい
  • ゴールの目安は「変数・条件分岐・イベントを使って、自分のゲームをゼロから完成させ、公開できる」状態
  • いちばんのゴールは、子どもが「もっと作りたい」と思い続けられること

親として感じていること

6歳の子どもを見ていると、「できること」よりも先に「作りたい」が育っているのを感じます。だからわが家では、順番どおりに教えることよりも、本人の「やってみたい」を大切にしています。

このロードマップも、上から順にこなす「チェックリスト」ではなく、子どもと一緒に歩くための「地図」として使ってもらえたらうれしいです。今いる場所をいっしょに確かめて、次に行きたい方向を子どもと選ぶ。そんな使い方が、わが家にはいちばん合っているようです。


各段階のくわしい記事は、上のリンクからたどれます。お子さんの今いる段階に合わせて、読んでみてください。

Scratchの全体像から知りたい方へScratchってなに?小学生でもできるプログラミングの第一歩

どんなブロックがあるか確認したい方へScratchのブロックの種類と色の意味まとめ