子どもが「飽きた」のではなかった|続ける声かけの話
しばらく、子どもとScratch(スクラッチ=ブロックを組み合わせてゲームを作る、子ども向けプログラミング)をやっていない時期がありました。
「もう飽きちゃったのかな」。そう思って、何気なく聞いてみたときに返ってきた言葉に、私はハッとしました。
この記事は、何かを教えるコラムではありません。少なくともわが家では、子どもは「飽きた」のではなく、「声をかけてもらうのを待っていた」——そう気づかされた、小さな出来事の記録です。
「飽きた?」に返ってきた、意外なひとこと
最近Scratchを開いていなかったので、私は子どもにこう聞きました。
「Scratch、もう飽きちゃった?」
すると、6歳はこう答えました。
「ちがうよ。パパがやってくれないからだよ。」
——不意打ちでした。私は「飽きたから、やらなくなった」と思い込んでいました。でも本当は、飽きていなかった。ただ、「一緒にやろう」という誘いを待っていたのです。
そんなつもりはありませんでした。でも子どもから見れば、「パパが声をかけてくれない=もうやらなくていいのかな」だったのかもしれません。
「自主性に任せる」と「放っておく」は違った
私はどこかで、「本人がやりたくなったら、自分から言うだろう」と思っていました。子どもの自主性を尊重しているつもりでした。
でも、6歳はまだ「今日はScratchをやろう」と自分で予定を立てる年齢ではありません。興味はあっても、自分から始めるきっかけを作るのは、まだ難しい。だから、「やる?」という一言だけは、親が用意してあげてもいいのだと思いました。
今回のことで気づきました。「自主性に任せる」と「放っておく」は、似ているようで違うということに。
- やりたい気持ちはある
- でも、自分から「やろう」と言い出すきっかけがない
- 親の「やる?」のひとことを、待っている
特に6歳にとって、Scratchはまだ親と一緒にやるものです。一人で起動して黙々と進める、という段階ではありません。だからこそ、親の声かけが「始めるスイッチ」になっていたのです。
「やる?」と声をかけたら、Scratchを1時間楽しんだ
そこで、その日はあらためて「何を作りたい?」と一緒に相談してみました。
私が「うんちをよけるゲームはどう?」と提案すると、子どもはすぐに乗ってきて、こう言いました。
「うんちをよけながら、アイスを拾うゲームにしたい!」
私が思いつかなかった「拾う」という要素を、自分から足したのです。
最初は「少しだけ」のつもりでした。でも、どんなゲームか絵を描き、ペイントでうんちとアイスを塗り、キャラクターを矢印キーで動かして……と、ひとつできると次がやりたくなる。手が止まりません。気づけば1時間、夢中になっていました。
飽きるどころか、きっかけさえあれば、こんなに前のめりになる。声をかけなかっただけで、この時間を逃していたのか、と少し反省しました。
SEの親として思うこと
仕事ではコードを書いている私ですが、子どもの学びについては、いつも子どもに教わってばかりです。今回も、大事なことを教わりました。
- 「声かけ」は「強制」ではない。「やる?」と聞いて、乗らなければそれでいい。入口を開けておくだけ
- 一緒にやる時間が、継続のエンジンになる。低学年のうちは特に、親の伴走が「続ける力」を支えている
- 子どもの「やらない」は、「やりたくない」とは限らない。「きっかけがない」だけのこともある
「自分からやるようになってほしい」という気持ちはあります。でも、それはもう少し先でいい。今は、「一緒にやろう」と声をかけることを、めんどうがらずに続けたいと思います。
まとめ
- 最近やらなくなった6歳に「飽きた?」と聞いたら、「パパがやってくれないから」と返ってきた
- 飽きていたのではなく、親の誘い(声かけ)を待っていた。「自主性に任せる」と「放っておく」は違う
- 声をかけて一緒に相談したら、自分から新しいアイデア(うんち避け+アイス拾い)を出し、1時間夢中になった
- 声かけは強制ではなく「入口を開けておく」こと。一緒にやる時間が、続ける力を支える
- 子どもの「やらない」は「やりたくない」とは限らない。「きっかけがない」だけのこともある
今回、「続けられるかどうか」は子どものやる気だけで決まるものではない、と感じました。6歳にとっては、「一緒にやろう」の一言も、学びの環境の一部だったのです。
私は、子どもにScratchを教えているつもりでした。でも実際には、子どものほうが「続けるために必要なこと」を教えてくれていたのかもしれません。
わが家はこれからも、めんどうがらずに「やる?」と声をかけていこうと思います。同じように「うちの子、続くかな」と気になっている方の、小さなヒントになればうれしいです。
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